ユニバーサルデザインの追求

当社では2005年から、障がい者衣服への取り組みを行っております。あるお客様のお子様が片腕に障がいをお持ちで、既製服を着用するのが困難だというお話をお聞きしたのがきっかけです。

今でこそ取り組まれる会社が少しずつ増えてきましたが、当時はまったく情報が無く、図書館に行ったり障がいをお持ちの方をご紹介いただき、実際にどのようなことにお困りなのかをお聞きして歩きました。

また、障がい者衣服研究の第一人者であった筑波大学の先生や障がい者の補装具や福祉機器、衣服の研究をされる会社をされている方に直接お会いし、なんとかビジネスモデルとして成り立たせることはできないかと模索したりし、何度も試行錯誤を続けました。

障がいが多岐にわたり、期待に応えようとするとリメークに留まらず、オーダーメードになってしまい価格が高額になる。

高額なものであれば購入できないため妥協する。妥協すれば当然満足のいくものができない。

もしくは、作り手が採算を度外視して作成すると、着用者が作り手に対し申し訳ない気持ちが芽生えてしまい、本当はもっと改善してほしくても納得したように装ってしまう。

この衣服にだけを焦点を当てたところで解決するのはとても難しいことだということを知りました。

障がいをお持ちであっても可能な限り収入を得られる仕組みづくり、そして世の中全体でそれを支えるための体制づくりなど、根本から変えていく必要がありそうです。

それでも釧路店でユニバーサルデザイン大賞を受賞するなど、少なからずお客様のご要望には応えてまいりました。

現時点では一つの事業として確立するのは難しいと判断しておりますが、障がい者や高齢者、男女の分け隔てなく、共存できる社会に貢献できるようノーマライゼーションの推進に力を入れ今後とも取り組んでまいります。